不登校ママのイライラを減らす実践ガイド(続編)

不登校ママのイライラを減らす方法を示したイラスト

不登校ママは子どもと向き合う日々のなかで、どうしてもイライラしてしまう瞬間はありませんか?
「また寝てばかり」
「またゲームばっかり」
本当は怒りたくないのに、気づけば声を荒げてしまう。

そんな自分にまた落ち込んで── そうして、親子の関係が少しずつすれ違っていくのを感じていませんか?

今回は、そんな“イライラの連鎖”を断ち切るために、誰でもできる具体的な「3つのイライラ対処法」をお伝えします。

目次

1. 不登校ママのイライラ対処法①|怒りのピーク“6秒”をやり過ごすコツ

言わないようにしようと思うのに、子どもについ言ってしまう。

友人や親戚、職場仲間にはイライラをぶつけずに飲み込む人がほとんどではないでしょうか。

日本アンガーマネジメント協会理事の戸田久実氏は著書『アンガーマネジメント』(日本経済新聞出版社, 2020年)で「身近な対象ほど怒りは強くなる」と述べています。

身近な人ほど怒りは強くなることを表した図解

普段、外ではおっとり温厚な人で通っているママでも、子どもやご主人には意外とイライラしているのかもしれません。
私自身、言わなくても「察してほしい」という気持ちが近い存在である家族だと起きていることに気が付きました。

理性が働くまでの時間は怒りについて書かれた多くの本では諸説ありますが、こちらの著書の中では「怒りがうまれてから理性が働くまで6秒程度かかる」とあります。
6秒をやり過ごすことで、反射的な怒りの爆発を避けることができるとされています。

例えば、子どもが朝からYouTubeばかり見ていたとき。 イライラして思わず、「何やってるの!早く準備してって言ったでしょ!」と怒鳴る前に── ゆっくり深呼吸をしてみてください。

わたしはよく、「4秒で吸って、倍の8秒くらいかけてゆっくり吐きましょう」とお伝えしています。

アンガーマネジメント 著:戸田久実 (日本経済新聞出版社, 2020年)

深呼吸は心のなかで数を数えながら深くゆっくり吸って、ゆっくり吐き出してみましょう。

イライラの元を見つめていてはゆっくり呼吸できない場合、

壁に貼ったメモを見る、窓の外を見る、お茶を一口飲む。 なんでも構いません。 “今は反応しない”という時間を意識的につくること。 これが、イライラを爆発させずに済む最初の鍵になります。

怒りでイライラした時は6秒深呼吸することをイメージ

子どもが不登校になるかならないかの初期に、自分でも止められないイライラが溜まっていたとき、まずは時間を置くことに注力してみました。
「こんなことで収まるだろうか?」とちょっと疑う気持ちも心の片隅にありました。でも時間を置いたことで少し冷静になる自分に気がつくことができました。

効果が手に取るようにすぐ現れたわけではありませんが、いつも心に留めるようにしました。
すると少しづつ、ほんの6秒の間に「今の自分は焦ってるのかも」「今日は疲れているな」と自分の気持ちに気づきはじめました。

深呼吸が必要になるのはどんなときが多いですか?
そんな点にも注目すると共通点がみえてくる場合もあります。

2. 不登校ママのイライラ対処法②|子どもの行動分析で気持ちに寄り添う方法

子どもの困った行動にイライラするのは、その行動だけを見ているからかもしれません。
ペアレントトレーニングは、子どもの困った行動の背景を理解し、親の関わり方を見直す支援法です。

特性のあるお子さんだけでなく、不登校や情緒面の不安に悩む親子関係の改善にも効果があり、実証研究に基づいた方法として注目されています

ペアレント・トレーニングについて博士(社会福祉学)、社会福祉士、社会福祉法人神戸少年の町地域小規模児童養護施設野口ホーム職員、施設長でもある野口啓示氏は書籍でこう述べています。

親も子どもも変わる必要はありません。ただ、やり方を変える。つまり親から子どもへの声掛けや接し方を変えるだけでいいのです。
<中略>
行動分析では、子どもの問題行動のみに注目するのではなく、行動が起こったのはどのような状況であったのか、そして、その起こった行動のあとにどのような結果が起こったのか、という一連の行動のつながりに注目します。

むずかしい子を育てるペアレント・トレーニング【思春期編】著 野口啓示 (株)明石書店,2015年

うまくいかなかった行動を分析することで、なぜそんな結果になったのか冷静に見つめ直すことができます。

子どもや自分が怒りの感情で対応した結果をゆっくり振り返ることで「どう関わればいいかな?」という探究心が湧いてきます。

子どもや自分のうまく行かなかった行動を分析する必要性を表したイメージ

やり取りの後、「またうまくいかなかったな…」と後悔する。
「こんなにうまくいかないことばかりで母親として失格かも」と悩んでしまう。
そんな日々が繰り返されるとますます落ち込んでしまいます。

例えば、子どもが朝なかなか起きてこないと、「食べるか食べないのかはっきりして!」と言葉が出てしまう。そうすることで子どもは無言を貫き返答しなくなってしまう。

このうまくいかなかった行動について振り返ってみましょう。

私は朝の出勤前だと焦ってしまうかもしれない。
前日の夜に朝は作って冷蔵庫に置いておくからと伝えればよかったかもしれない。
寝起きは本人の体調が悪くて返事ができないのかもしれない。
イライラして話しかけるから「うっとおしい」と感じたかもしれない。

などと考えることができます。

3. 不登校ママのイライラ対処法③|怒りの“前兆サイン”と心の余裕を保つ工夫

怒りの爆発は、実は“前兆”があることが多いです。

肩がこわばる ・呼吸が浅くなる ・手に力が入っている…
そんな身体のサインを感じたら、まだ怒っていないうちに対処できるのが理想です。

仕事に育児に家事…
ゴミ出し・出しっぱなしの服の片付けなど、やることに切りはありません。

不登校の母親に余裕はあるか、イライラの前兆をあらわしたチェックリストの図解

目まぐるしい毎日と不登校…

そんな日々は、気づかぬうちに「時間に追われている」「予定に余白がない」ことが、あなたの心の余裕を奪っているかもしれません。

「今日、本当に予定を詰め込みすぎていないか?」
「5分だけ一息つく時間をつくれないか?」

そんな問いかけを自分自身にしてみてください。

“余裕のなさ”に気づくことが、イライラの予防につながります。

肩の力を抜いてリラックス。
ちょっとくらい夕飯が遅れても意外と大丈夫かもしれません。

まとめ|不登校ママのイライラ対処法は“できることから”で大丈夫

1.時間をおく:反応の前に“6秒待つ”
2.行動を分析する
3.イライラを感じる“前兆”に気づく:あなたは余裕がありますか?

不登校ママの子育ては余裕がなくなりがち。
イライラするのは誰でもあることです。

一度に全部できなくても大丈夫です。
紹介した対処法を、まずはひとつ試してみましょう。


うまくいかない日があっても、それは自然なことです。
あなたが今ここにいて、子どものことを思っている。その時間も素敵な瞬間です。

\前編はこちら/

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